【読書感想文】コピペして提出したらコンクールに出したいと言われた話 特別編

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【読書感想文】コピペして提出したらコンクールに出したいと言われた話 特別編

 

▼前作はこちらです

 

今回で4作目になりますが『読書感想文をコピペして提出したらコンクールに出したいと言われた話』はラストになります

 

その後の学校生活

その後の学校生活

あたしの書いた読書感想文はコンクールに出典できなかったけど、空野の評価は大分上がったみたい

 

特に、仲が良くなって会話が増えたかといわれればそういうことではなく成績が上がった

 

今まではどんなに提出物をだしても、テストでまぁまぁな点数をとっても、決して『5』をもらえることはなかったが、冬休み前の通信簿では初めて好成績をマークした

 

 

あたしは今まで通り生活していただけなので、読書感想文がかなり効いたことが分かった

 

 

無事友達、先生にもばれることなくミッションを遂行できたことであたしの一幕を終えた

 

これにて

一つの物語は終わりである

一つの物語は終わりである

 

 

 

 

中学3の夏休み近くになると、もしかしてまた読書感想文がくるのかなァと思っていたのだが、受験生だからと宿題に出されることはなかった

 

もし、もう一度宿題となればもう一度盗作して提出することになるだろう

嘘は突き通さなくちゃ!

 

 

中学3年のラストの通信簿まで国語の成績は最高点だった

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卒業式の日

卒業式の日

式を終え、クラス最後の学活もおわり、廊下には同級生や後輩たちのグループで輪ができていた

 

小学校から中学校に上がるときはエスカレーター式だったけど、高校はみんなバラバラ

 

みんな離ればなれになってしまう......

 

あたしこういうの弱いんです、人との別れ弱いんです

 

卒業式の『仰げば尊し』では大号泣して、退場の際親の元に花束を届けるというちょっと恥ずかしい先生たちの計らいもあったんだけれど、うちの母親は泣いていた

 

うちの母親が泣くとこなんて見たことなかったし、わたしもそれにつられてないっちゃった

 

 

あたしは、このお別れの時間がとっても寂しくて同級生と写真を撮りまくった

憧れを抱いていた人とも2ショットでおさめた

 

本当は大好き大好きな人と2ショットしたかったんだけど、中2で転校しちゃったんだよね......

 

 

普段あんまり話したことない人とも、廊下で見つけてはパシャパシャ

 

すると、「矢沢せんぱ~~い」と今まで面倒みてきた後輩たちが走ってあたしの方にむかってきた

 

 

とうとう、わたしのもとにもクソ生意気な後輩どもがやってきたぞ

 

実は待ってたんだよね、まわりを見ると後輩に囲まれている同級生がいてさ、あたしにはこないの? って気になってたから

 

おい、てめ~らおせ~よ

 

「すいません、他の先輩のとこ行ってました」

 

ふざけんなよ、最初に来いよ

 

「いや~、一番お世話になった先輩はラストで締めたいじゃないですか」

 

 

まァー確かに一理ある

いいわけくさいが認めてやる

 

後輩は手に持っていて寄せ書きの色紙をあたしに渡してくれた

いや~これが部活に所属しているともらえるという幻の色紙なのね

 

 

あたし小学校の時は、部活に所属していなかったからこのシチュエーションにすっごいあこがれてたわけ

 

で、次に後輩が何を話すかと思えば、クソ生意気な後輩らしいことを言ってきやがった

 

「先輩、先輩、ジャージくださいよ!」

 

なんだよ、世話になった挨拶とかねぇ~のかよ

 

「先輩のことはいっつも一番に尊敬してますって、なぁ~みんな」

 

「先輩マジ大好きです」

「一番憧れでした」

「テニスはあんまり強くないけど、最高でした」

「先輩のギャクセン寒いけど、楽しかったです」

 

とまァーバラバラにほめてくれたんだけどさ

 

 

あげてもいんだけどさ~腰パンするからダメ!

 

「いや、いや先輩だっていっつも腰パンしてたじゃないですか」

 

あたしはいんだ!

 

「下さいよ~下さいよ~」

 

分かったって、今ないから今度持ってきてやるよ

 

「ずる~い、わたしも先輩のジャージほしい」と周りにいた後輩もねだってくる

 

2着あるからあげるよ、しかたないな~

 

「じゃ~わたしには制服ください」

「わたしにはバッグください」

 

ちょっとまってw あたしが好きだからほしいってわけじゃなくて、自分のファッションのためにほしがってるでしょ!

 

「そんなことないですって、考えすぎですって」

 

ったく、普段生意気なくせしてこういう時だけいい子ぶるんだもんなァ

 

こんなやりとりをした最後に「矢沢先輩、ご卒業おめでとうございます、今までお世話になりました」と後輩たちが声を合わせ祝ってくれた

 

 

後輩が立ち去ったかと思えば「絶対もってきてくださいよ~」と振り返る

 

ほしがりすぎだって!

 

手をフリフリして立ち去って行った

 

 

さぁ~て、一通りおわったしなにしよ、周りをみてみると今度は先生タイムにはいっていた

 

あたしのクラス担任と空野を取り囲み、沢山の生徒と名残惜しそうに会話していた

 

 

嫌われ者の担任の周りには2人

空野の周りには10人近く

 

 

やっぱり空野は生徒と心が近い分人気だよな~

 

わたしは特別お世話になった気がしなかったので、その場を立ち去ろうとしたら「ごめん、ちょっと待ってて」という声が聞こえ空野が駆け寄ってきた

 

 

「矢沢さん、卒業おめでとう! わたしね矢沢さんと最後お話したかったの。矢沢さん国語の成績はまぁまぁだけど、文章は書き続けてほしいなって思うの。読書感想文あったじゃない? あれすっごくよかったのが印象的で、このままにしちゃ絶対だめ! 先生ね、人を見る目は持ってるのよ!」

 

 

あれはあたしであってあたしじゃない

 

上には上がもっといますよ~あたしなんか大したことないですし

 

ありふれた言葉で返した

 

「そんなこと言わないの! 自分を信じてあげて! 先生ね、矢沢さんのファンよ!」

 

空野の顔は今まで見たことない眩しい表情でなんだかあたしも嬉しくなってきた

 

ありがとうございます!

 

「じゃ、しっかりね、他の子待ってるからいかなくっちゃ! じゃ元気でね!」

 

空野はあたしのことを褒めてくれたんだけど、あたしのことではないからぜっぜん言われた言葉が入ってこない

 

でも、あんなにキラキラした笑顔で言われたから心が温かくなっていた

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10年後

10年後

同級生、橋本との関係は大人になっても続いていた

仕事から帰り電話していると、仕事の愚痴がたくさん出てきた

ほとんどが上司の悪口だけど話を聞いていると「どこの職場でも変な人っているんだなァ」

 

大人の社会は学生の時よりもほんっとつらいことが多い

 

 

愚痴がおわると、今度は中学校の友達話になった

あの人どこに住んでるんの? 仕事なにしてるの? って

 

ねえねえそういえば、国語の先生で空野っていたじゃん! サザエさんみたいな先生! 今なにしてるんだろうね

 

ど~なんだろ、先生やってんのかな?

 

橋本に振られた話題だが、言われてみるとあたしが一番きになって本名をパソコンで検索してみた

 

 

 

 

 

はぁ~

だよね、調べる前から分かっていたわけではないけど、空野らしい人生の選択だった

別に空野が選択していなくても、周りがそうさせずにはいられないんだよね

 

 

大人になってみると、子供の頃に絵がいていた世界とは随分ちがっていた

学校生活で嫌なことをされたこともあるし、悪口だって言われたこともある

 

でも、大人の世界に入ってしまえば、ちゃんちゃら可愛い世界

生徒のちょっとした非行なんてお遊び程度にしか思えない

大人の世界は嘘、エゴ、嫉妬、お金と色々な漆黒に包まれている

 

中学校の先生だってそう、大人

なんら変わりはしない普通の大人

まァ、あたしの担任みたいなもんよ、なんか事件があれば根拠もないくせにうたがってくるし、自分の気分が悪いからってやつあたりしてくるし

 

 

だから、あたしの担任は生徒から人気がなかったのだ

 

中学生になったらもう大人なんて聞くときはあるけれど、まだまだ子供

多少の黒はまじってるかもしれないけど、透き通った世界で生きている

 

そんな透き通った世界で生きてるもんだから、反対色の黒が来てしまうと本能的に敵だ! と思ってしまう

 

 

でも空野は違った

 

 

 

 

 

 

空野こそ、本当の透明人間だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

P.S.

今ね、あたしブログかいてるんだよ、読書感想文って大体3枚くらい原稿用紙にかくでしょ?

もう、そんなの今じゃ余裕でかけちゃうよ! 今でねもう原稿用紙7、5枚分くらいなんだ

 

でね、あたしの文章おもしろいっていってくれる人もいるの、すごいよね!

空野先生はあたしの運命まで見抜いてたってゆーの?

 

本当にあたしに文章をかく才能あったのかな?

 

あたしの話ばっかでごめんね

 

 

空野先生!

校長先生就任おめでとうございます!