あたしは美容師をしていますが、おばあちゃんからよくこんなことを言われます
「ほんっとっ! 最近の子はゲーム好きだよね、いっつも家でゲームばっかりやってるからたまには公園で遊んできなさいっていったら、素直にでてくんだっけ」
「今不審者多いでしょ、迎えにいったらみんなで公園のベンチに座ってゲームしてるんだっけ、なんでまぁ~みんなゲームすきなんだろうねぇ~」
あの~おばあちゃん、あたしもれっきとしたソレ世代です!
えぇ~やだ~ゲームするぅ~
今日は友達の高橋と遊ぶことになっていたので、家に向かいました
いつものちょ~長い階段を上ると高橋の家です
ちょ~長い階段っていっても途中の道ではなく、高橋の家はちょ~長い階段の先にそびえたっているのです
家に到着しピンポーン
すると、高島が出てきて、いつも遊んでいる応接間に向かいました
あたしは堂々としている椅子に腰かけると「ねぇねぇカービーやらせて」と高橋にお願いしました
高橋はちょっと待っててと部屋を出ていき、ゲームボーイを取ってきます
ガチャっと音がして、あたしは
よっしゃ! お出ましだ!
あたしは高橋に会いに来たのではありません
ゲームボーイに会いに来たのです
すぐさま
「やらせて、やらせて~」
すると
「わたし先ね~」
クソ野郎、おまえいっつもできるだろが
あたしの家にはゲームボーイがないので、とてもやりたいのです
「死んだら交代ね~」言われしぶしぶ了解
イスに座り無心でまちます
カービーはホントぬるゲー
あんなの年齢対象3才とかでしょ
あたしはもう幼稚園生よっ!
ぜったいに当分回ってこないことは知っていました
30分経過
あたしゃいったい何しにきたんだ・・・
もォー我慢ができず
「そろそろやらせて~」
「まだ死んでないって!」
あ~マジきらいになりそ、やっ。もうなりかけてる
ふぅ~と大きくため息をつくと
「わかったよっ」と呆れながら渡してくれました
いや、マジもぉ~い~だろが。いい加減やらせろよ!!
さて、さて、こっからはあたしの番です
オラオラオラ~
家でできない分めちゃめちゃやったるで~!!
すると、ガチャ
誰かが入ってきたようです
別に誰が来ようと関係あらへん
あたしはデデデ大魔王を倒すまで絶対だれにも渡さんたい
「あれ、ゆめちゃんいらっしゃい」
見上げると高橋のじいちゃんでした
「何を真剣にやってるかと思えばゲームかっ」
しーーーーーーーーーーん
「こんなに天気がいいんだから外で遊んできたらっ」
しーーーーーーーーーーーん
じいちゃんは空気に押され退室
「そろそろ外に遊びにいこっか!」
やだァー、ヤダァー
「い~からいくよ!」
やだァー、ヤダァーまだ5分もやってな~い
「外で遊び終わったらやらせるから」
しかたないかっ
しぶしぶ玄関で靴を履きますが、やはりデデデ大魔王が頭から離れません
「外って何分遊ぶの?」
「ん~1時間くらい?」
「えぇ~そんニャに」
「すぐだって」
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あたしの願い
「ふぁ~~~~~~~っ、んで、何して遊ぶの?」
「ベランダでドッジボールでもしよっか」
外にでると、高橋はベランダの隅からプラスチックボールを取ってきました
あたしはというと、普段は通過しているだけのベランダをぐるりと一周見渡しました
「よっ~し投げるぞ」
お互い距離を確保します
シュッ
あたしがボールをキャッチするとパィンと心地よい音が胸に響いてきましたが、大して面白くありません
それから3回ラリーした時に、あたしはそろそろいいかなって思いました
「ねぇねぇ遅いとつまんないから、強めで行こうよ!」
この言葉に高橋は余計に意気込みはじめました
「ヨシっ! じゃ~本気でいくぞ!」
「おぉ! きやがれ!」と高橋をかなり挑発しました
あたしは構えます
全力入魂にそなえて構えます
ボールが凄まじいスピードで飛んできます
絶対絶命のピンチ!
あたしはドッジボールが大の苦手なんです
やばすぎるわぁ~
こんなボールうけたら絶対いたいわ~
ボールが当たる寸前にササっとボールをかわして見せました
すると、どうでしょう
もうスピードで投げられたボールはあたしの背後に消えて行きます
まぁ、なんたることでしょう
そのボールは
あたしの背後に並べられてあるアロエに刺さってしまったのです
ぷしゅ~~~~~
「絶対わざとよけただろ!」
「いや、違うって! 予想以上に怖くて、取れなかったんだよ」
「はぁ~、しょうがねぇな~、中はいるか」
あたしたちはさっきまで遊んでいた応接間に行きました
そして
やったるで、やったるでぇ~~
ほどなくして、、また姿を現す
「あれぇ? 2人で外で遊んでたんじゃなかったんけ」
「ゆめが壊した」と高橋
「ゆめちゃんが壊したって」
全く状況がつかめないじいちゃん
あたしは何か申し訳ない
と裏腹にゲーム
じいちゃんは状況がつかめないまま部屋から出ていってしまいました
玄関の音が聞こえたので、ボールを見に行ったことは分かりました
応接間のガラスからじいちゃんの姿が見えました
おじいちゃんはボールを手にとり
「おったまげたぁ~穴っこあいてるや」
と言い、穴に指を突っ込んで遊んでいました
あたしはその姿をみて
無邪気やな~